こんにちは!H_Kです!
1.レセチェック
皆さんが入院して退院した後、病院では毎月10日にレセプト(診療報酬明細書)の提出がある為、月の最後の週から、ひと月分の退院した患者さん(入院日〜退院日)まで、一人一人、1日1日ずつカルテを見て、診療行為がないか?使った薬剤の漏れが無いか?確認していく作業があります。翌月の10日まで100人以上の患者さんのカルテを見ていくので、特に月の初め1〜9日間は朝から夕まで、病棟の患者さんや家族さんの対応をしながら業務を行なっているので、正直この期間が大変です。
なぜ、この作業があるかというと病院の収入源は毎月10日提出するレセプトが、審査支払機関を通して診療費の7割が決まります。場合によっては土日返上で出勤する事も良くあるので、前月の終わりの週から翌月の10日まで、12〜14日間連続出勤の上、残業も有りという。なかなか過酷な労働になります。
この期間は、辛いです。ストレスも身体の疲れもMAX状態です。
このレセチェックの時によく、診療行為や使用薬剤や〇〇加算の漏れで退院時に支払いした金額が変わる場合もあって、追加請求や返金連絡もしますが、皆さんの所に連絡が来た場合、暖かく対応していただけたら幸いです。
2.無保険の手続
今のこの時代でも、居るんですよ!無保険(保険加入していない人)、日本は基本的には、国民皆保険制度なのでみんな保険証を持っている物だと思っていましたが、大体緊急で運ばれて来る人で保険証を持っているか確認すると。
保険証?保険料払ってないから、持ってないよ!
と、こんな感じで真顔で言ってくるんです。外来だと10割負担でも数万円ぐらいで納まる場合が多いのですが、入院となると数十万から数百万単位にもなるので、てか、保険料も払えない人が10割の医療費も払えるわけがない!一刻も早く手続きさせないと病院の損失額につながるので、まず、役場に電話して必要な書類を聞いた後に、ご家族に連絡して手続きに行くよう案内しますが、ご家族が居ない。身内が居ない。となると社会福祉士(地域連携室の方)と連携して、場合によっては病院職員が役場まで手続きに行く事があります。
この対応は、1日かかる場合もあるので、もちろんレセチェックやルーチン業務が出来ません。最初慣れないうちは、案内が遅かったり、書類が不備だったりで、よく怒られました(T ^ T)>
皆さんも保険証の手続きを怠らずに、保険料が払えない場合でも役所の方や担当者と相談してください。病院でも相談できる窓口があったりしますので、遠慮なくご利用下さい。
救命病棟担当だった時に3日間、無保険の対応が続いた時が大変でした!
3.身元不明者の対応
ある日、どこかの街で倒れた意識不明の重体で運ばれた患者さん。身分証明書も無く。見た目で性別と年齢(かなりアバウト)ぐらいしか判断できない人が半年に一回ぐらいの頻度で来るのですが、入院初日に直ぐに発見された市町村役場に電話して急迫申請(生活保護)します。その日で連絡しないと1日分診療費が病院負担になる為、毎回入院してきた患者さんを見ています。だいたい一週間以内、本人の意識が回復次第分かってくるのですが、回復しない場合、本人の持ち物を確認したり、警察や役場担当者に捜索願いを出して対応検討するのですが、これが長引くと段々と大事になって来るんですよ!
事件性が無ければ警察はそこまで動いてくれないし、役場の担当者が現地まで行って聴き込みしたりするのですが、どうしても見つからない場合、急迫申請(生活保護)でも住民票を仮名で登録して手続きをおこなう為に、市町村議会から県議会に議題を上げて審議する等、大事になると資料作成に時間を取られたりするので、3ヶ月ぐらい対応します。
ご家族の方や身内の方が捜索願を警察に出して見つかる事が多いのですが、身元がわかった時点で急迫申請は止まり、ご家族や身内の方に保険証持っているか確認して、持っていいない場合早めに役所に手続き行くよう案内します。
無保険や身元不明者の対応、何故か私が当たる率が高くて
慣れたせいか職場内でも「どうしたらいいの?」と良く聴かれます!
4.最後に
これまで、大変だった事や辛かった事を書いてきましたが。もちろん嬉しい事ややりがいもあります。無保険の人もなんとか保険証と高額医療まで手続き出来てしまうと、退院時に「ここまで医療費安くなるの!?」と驚いた反応やご家族から「皆さんで食べてください。」とお礼品等(本当は受けっとてはいけない)をもらったりなど嬉しい面もあります。
何より、病院の裏側で、医療事務員が病院経営と患者さんの医療費負担軽減の両方関わっていくので、患者さには医療費負担軽減に繋がる制度を案内していく事で、経済的な不安を軽くして、安心して治療が受けられる様に病院と患者さんで、win-winな関係造りが出来ます。この辺を実感するとやりがいに感じて、大変な事や辛い事も忘れてしまいます。
まぁ、病院で働いていると色んな人が来て、色んな事が起るので(良い意味でも、悪い意味でも)
本当に気がついたら6年も経っていたという感じです!